魔の7番手。
最後も吉岡らしかった?ということか。
有坂の歓喜のラストランの後、吉岡のファンへの挨拶が始まった。
有坂からしてみれば、おいおい誰が主役なんだよといったところだろうが、一時代を築いた男への粋な計らいといっていい。
最後に、吉岡のお父上が花束を渡した。
吉岡、男泣きであった。
走りに<らしさ>はなかったが、あれが今の吉岡なのだろう。
最後の直線。
一つでも上を目指して間隙を突いた合志の鋭進に、吉岡も九州安堵の思いを持ったのではないだろうか。
「これからも競輪を応援よろしくお願いします!」
最後に吉岡は涙声でそう語った。
ありがとう吉岡。
さらば、競輪の華よ。
大一番の朝をどのような気持ちで迎えたのだろうか。
競輪グランプリ2006がやって来た。
吉岡引退の報道が直前でなされ、現場はさぞ混乱したことだろう。
昨日GPの特番を見ていて、ちょっと印象的な一場面があった。
カメラが吉岡を追っていたとき、一人の選手が吉岡に近寄り、一言そっと話しかけ去っていった。
愛媛の渡部哲男である。
渡部は日頃から吉岡と親交が厚く、<不動会>のメンバーでもある。
その光景を見たとき、ああ、やはり吉岡は引退するのだと確信した。
もう一度9人のメンバーを見る。
実質、山崎の先行1車である。
先行1車は黙って買い、これが競輪のセオリーだ。
ましてや山崎は次代を担う逸材。
勢いもある。
それにこの山崎という男、大一番にも動じない図太さも兼ね備えている。
初出場だろうがなんだろうが、あっさりと優勝を掻っ攫ても不思議ない。
「小さいレースはしない。」
そう語る山崎が先行するのだろう。
すんなりなら、なかなか山崎を捲れるものではないと思う。
僕はそこに井上が絡み、機を見て敏な手島も誘蛾灯に吸い込まれるがごとく絡みついていくのでは考える。
隊列が縮まる。
競輪の女神がいるのなら、ファンに愛された吉岡に最後の見せ場を与えるはずだ。
それがスターというものである。
吉岡に憧れて選手になったという競輪選手は多い。
吉岡の後ろを回る合志もその一人だ。
4=3から入りたい。(4-3厚目)
平野末吉杯初日の前田拓也が通ったコース。
そこがVロード。
合志の《吉岡への感謝・惜別・非情の差し》で、今年1年を締めくくりたいと思う。
競輪は節目に来ているのかもしれない。
宮杯での内林の引退の報に接し、当時僕はそう書いた。
しかし、こんな形でその<節目>を思い知らされるとは夢にも思わなかった。
吉岡稔真、引退。
30日のGPを最後に、現役を退く意志を固めたという。
いつから競輪をやり始めたのか。
はっきりとは思い出せないが、社会に出てから競輪をやり始めた。
その頃吉岡は既に輪界のスターであり、豪快な捲りがファンを痺れさせた。
性にあったのか、僕は競輪に熱を上げ始めた。
吉岡だけでなく、神山や小橋、滝沢正光の偉ぶらない態度に、世の中にこんな世界があるのかと素直に感動した。
30日の大一番。
おそらく吉岡は九州の先頭を走るのだろう。
そして、飛ぶ鳥を落とす勢いの山崎に真っ向勝負を挑むに違いない。
競輪は節目に来ているのだ。
輪界にも、そしてこの僕にも。
例によって、週末はネット投票である。
競艇は芦屋と鳴門で記念、競馬は土曜開催でオープン特別だが、結局負けてしまいふて寝。
夜に目を覚まし、「エンタの神様」を見た。
若手芸人が中心のためか、普段あまりテレビを見ない私には聞きなれない名前も多い。出演者の中では比較的メジャーなのは次長課長、オリエンタルラジオ、桜塚やっくん、だいたひかる、それに藤原紀香と噂になっている陣内智則といったところだろうか。
しかし、頭のだいたひかるからして全く面白くない。コア、アクセルホッパー、ヒライケンジ、魔邪……と私にはどこが面白いのかさっぱりわからない。「爆笑オンエアバトル」に出ている連中のほうがよっぽど面白いと思う。
次長課長とか陣内智則なんかは以前はもう少し面白かったと思ったが。意外性がある分桜塚やっくんが多少マシという感じか(仕込みかもしれないけど)。
これだけ面白くないとネタの当たり外れという問題ではないような気がする。安易なバラエティが多すぎてネタ造りの暇がないのだろうか。
「ブロードキャスター」見ればよかった。
全日本選抜競輪が終わり、GP2006のメンバーが出揃った。
その全日本選抜は、合志の見事な差しが決まった。
合志を引き出した荒井は、「絶対にGPに乗せますから」と覚悟の競争だったようだ。
荒井は言う。
「平原は後ろが大先輩(神山)ですけど、それだけでしょう。僕らは81期と82期ですから。」
繋がりの強さが違うというのだ。
これでGPは、井上-吉岡-合志の九州ラインが実現した。
山崎-佐藤-有坂の北日本にどこまで対抗できるか。
井上が山崎に対抗意識を燃やせば、手島に風が吹く。
さらに後ろの後閑がズバッと差す。
昨年のGPで、後閑は<早とちり>をやらかした。
勝ったと思い、思わず手を上げてしまったのだ。
いずれにしろ、今年は<差し>という気がする。
ひとり酒を飲みながら深夜のボクシング中継を見ていた。WBAスーパーフライ級のタイトル戦、王者名城と挑戦者ガルシアの試合だ。
半日以上も前に行われた試合の録画中継で結果は見る前から報じられており判っていたが、やはり、記事を見るのと実際に(といってもテレビだが)見るのは違う。
大差の判定勝ちだったが、解説の六車氏が「最終ラウンドを取った方が勝つでしょう」と言ったように、見た印象では僅差に思えた。
それよりも、ゲスト解説の辰吉丈一郎の呂律がまわっていないことに唖然とした。
「Number」11月30日号には未だ大阪帝拳に通う辰吉の近況がノンフィクションで綴られており、復帰を目指して先の見えない努力を続ける姿に感心するとともにもの悲しさを覚えたのだったが、実際に声を聞くと、最早一刻も早く「引退」すべきだとの思いを強くした。もちろん、辰吉自身の身体だ。外野がどうこう言う話ではないのだが。
世界戦の後は、西岡利晃のラスベガスでの試合だった。バンタムから階級を1つ上げて幾分腹回りが太くなった印象の西岡は動きも軽快で4R終了のゴング間際にボディ一発で相手のアロンソをマットに沈めた。しかし、ウィラポンに4度挑んだ西岡ももう30歳。もう一花咲かせられるのだろうか。「スピードスター」と称された頃のフットワークには足りないように思えたが。それとも相手に合わせて脚を封印したのだろうか。
名城の試合はそんなに見ていないが、辰吉や西岡の試合はもう何度も見た。今や辰吉は呂律のまわらない解説をしつつも現役に未練を残しトレーニングを続け、西岡は30歳にしてまだ世界を目指している。正直難しいだろうなあと思う一方で、愚直に突き進むことを忘れた自分を顧みて歳をとったものだと情けなく思った。